【対応可能な検査および治療・手術】 

循環器病検査心臓手術

 当センターでは循環器内科・外科の診察が必要な症例に対応できるように最高の施設設備・スタッフを整えてみなさまをお迎えいたします。また、診察後は飼い主様とのご相談のもと、最適な治療方針の決定のお手伝いをさせていただきます。
 

【心疾患・不整脈の精査】

l   心雑音の精査・心疾患の確定診断および治療方針の決定
 心疾患の確定診断は、身体検査とレントゲン検査のみでは困難であることがほとんどであり、初診時には心臓超音波検査も必須となります。また、心雑音は一般的に先天性心血管異常、弁膜症や心筋症などの心疾患に関連して聴取されますが、心臓に器質的異常がなくとも無害性雑音や貧血時などに聴取されることもあります。心疾患を特定しにくい場合や心雑音の原因が明らかにならない場合に、循環器に関する精査を実施することが可能です。
Fig 1.
 

l   心原性を疑う臨床症状の原因精査

 発咳、ふらつき、チアノーゼ、失神、呼吸困難などの臨床症状は、循環器疾患に起因している可能性も考えられます。犬では僧帽弁閉鎖不全症、猫では心筋疾患に起因した心不全による呼吸困難、犬の僧帽弁閉鎖不全症と気管気管支疾患の合併による発咳は一般的ですが、先天性心疾患や不整脈により症状を呈していることもあります。
Fig 2.
 

l   心電図異常・不整脈の診断

 聴診上リズムの異常はなくとも、QRS波形が幅広いなど心電図波形が異常を呈することもあります。洞房結節、房室結節、房室ブロックや脚ブロックなどの刺激伝導系の異常、電解質異常、徐脈による補充調律の出現、薬物に対する副反応など原因は様々です。麻酔時に心電図モニターを行った際に見つかり、診断治療が必要になることもあります。致死的な異常調律であることもあるため、正確な診断が必要となります。
 不整脈は聴診時のリズム異常から診断に至ることが多いですが、飼主による失神、ふらつきなどの重大な臨床徴候の訴えにより検査後診断されることもあります。不整脈の診断は来院時の心電図検査のみでは困難なことも多く、ホルター心電図検査など長時間の心電図記録が必要になることもあります。
 また、不整脈の原因は心臓の異常により発生すると思われがちですが、腫瘍性疾患、呼吸器疾患、電解質異常、外傷、ストレスなども不整脈の原因となるため、全身的な検査が必要です。
 治療の必要性のない心電図異常・不整脈もありますが、抗不整脈薬による治療、原因疾患の除去、ペースメーカ治療などが必要になる場合もあります。
Fig 3.
 

【心臓特殊検査】

l   犬および猫に対するホルター(24時間)心電図検査
前述しましたが、失神やふらつきの原因精査のためにホルター心電図検査が有用なことがあります。飼主様にとっていただく動物の行動記録とホルター心電図を照らし合わせることで、失神・ふらつきなどのイベントがあった時の心電図所見を評価することができます。また、不整脈を引き起こす心筋症の重症度評価や治療反応などにも用いることができます。一般的に3日間の測定をしていただいた後に、心電図データの解析を行います。
Fig 4.
 

l   経食道超音波検査

経食道超音波検査は、心臓外科手術時に、心臓全体の形態や動きの観察、弁膜の開閉、血管の異常、血流の方向、短絡や逆流の評価に用いています。犬猫では全身麻酔が必須となり使用するプローブの大きさにも依存しますが、3D画像の構築により詳細な心臓形態および血管構造の詳細な観察が可能です。
Fig 5.
 

【各種心疾患の内科的管理】
l   犬の僧帽弁閉鎖不全症の診断および内科的管理

軽度な僧帽弁閉鎖不全症の症例や飼い主様が僧帽弁修復術を望まれなかった場合は、内科的管理を主体にご提案しております。僧帽弁閉鎖不全症の病勢把握のため定期的もしくは必要に応じて精密な検査を行い、飼主様のご要望に即した治療プランをご紹介動物病院様のご協力のもとにご提案することが可能です。
Fig 6.
 

l   猫の心筋疾患の診断および内科的管理

 心筋疾患は猫の心疾患の中でも最も一般的ですが、その原因や病型はひとつではありません。肥大型心筋症などの心筋自体の病気だけではなく、体高血圧症や甲状腺機能亢進症などにより二次性に心筋の肥厚をきたす場合もあります。したがって、左室肥大の鑑別診断は心臓超音波検査だけでなく血圧や血液検査なども含めた各種検査が必要となります。
 また、心筋(心内膜)自体の異常により引き起こされる心筋症も、形態によって肥大型、拡張型、拘束型心筋症などの分類がなされます。そのため、心臓超音波検査による詳細な心室の評価が必要となります。
Fig 7.
 

l   犬および猫における先天性疾患の診断および内科的管理

 初回のワクチン接種時など若齢時に心雑音が聴取された場合、先天性心血管奇形が疑われます。遭遇することは稀であるかもしれませんが、犬猫にはとても多くの種類の先天性心血管奇形が報告されております。早急に治療が必要な場合、血行動態が複雑であり正確な病態把握が必要な場合もあるため、一早い診断が重要となります。
Fig 8.
 

【体外循環下による心臓外科術】
l   僧帽弁修復術

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l   犬と猫の先天性疾患に対する開心による整復術

先天性心疾患の心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、心内膜欠損症、肺動脈狭窄症などの外科治療も行っております。内科治療もしっかりと行えるスタッフがいることで、外科治療の必要性の判断や内科・外科治療それぞれのメリット・デメリットなど、細かに飼い主様に情報をお伝えすることが可能です。
Fig.9
 

l   犬の動脈管開存症に対する結紮術(開胸による)

動脈管開存症は犬の先天性心血管奇形で最も多く認められます。閉鎖せずにいると、心拡大や肺高血圧が悪化し多くは心不全となってしまいます。したがって早期の閉鎖術の実施が必須です。動脈管の閉鎖術は、開胸下での結節術の他にもコイルやAmplatz Canine Duct Occluder (ACDO)などを使用したカテーテル治療によっても行われます。動脈管の形態や症例の年齢、それぞれの術式のメリット・デメリットなどを考慮した上での治療方針の選択が可能です。
Fig 10.
 

l   心膜切除

特発性や心臓腫瘍による心膜液貯留が悪化すると、右心不全や失神などの臨床徴候を伴う心タンポナーデとなることがあります。難治性の場合、開胸下の心膜切除が適応となることがあります。同時に心臓腫瘍の生検を行うことも可能です。
Fig 11.
 

【カテーテル検査・治療】
l   犬と猫の先天性心疾患に対するカテーテル検査

複雑な心血管奇形の場合、カテーテルを用いた造影検査、血液ガス分析による短絡率の測定、血圧測定など、詳細な検査が診断に必要となることがあります。
Fig 12.
 

l   犬の動脈管開存症に対するコイルおよびAmplatz Canine Ducts Occluder (ACDO)を用いた塞栓術

前述した通り、動脈管閉鎖にはカテーテル治療によっても実施可能です。
開胸を行わずに動脈管を閉鎖することができるため、術後の回復が早く非侵襲的な術式となります。
Fig 13.
 

l   犬の肺動脈狭窄症に対するバルーン弁口拡大術

肺動脈狭窄症も犬に多く認められる先天性心血管奇形です。重度の狭窄が認められる場合は、突然死の可能性があり、他にも失神、運動不耐性など症状が認められることがあります。肺動脈弁の弁上部や弁下部の狭窄には適応とされませんが、弁性狭窄が生じている場合は、バルーンカテーテルを用いたバルーン弁口拡大術の適応となります。弁輪部でバルーンを拡張させることにより狭窄を解除し、突然死や失神のリスクを下げることができ、心臓薬の内服を終了することもできます。
Fig 14.
 

【ペースメーカ治療】

l   犬および猫に対する恒久的ペースメーカ植込み術
重度房室ブロックや洞不全症候群は突然死、ふらつき、失神、運動不耐などを引き起こすことがあり、恒久的ペースメーカ植込み術の適応となることがあります。植込みの実施により心拍を安定させて突然死の回避、症状の改善、活動性の上昇などが期待できます。
Fig 15




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