今回は犬の僧帽弁閉鎖不全症の手術費用、手術の環境、術後管理、成功率に関して、JASMINEどうぶつ総合医療センターのケースをご紹介いたします。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の手術費用

JASMINEどうぶつ総合医療センターにおける僧帽弁閉鎖不全症の手術費用はおおよそ合計で220万円ほどになります。

初診費用 (術前検査) 約5~10万円
手術費用 約143万円
入院費   約40~45万円(1週間)
定期健診 24万円(1回6万円を4回)

※動物医療には国の保険制度が適用されませんので、この料金がそのまま飼い主のご負担になります。料金は検査内容や薬の処方などによって多少前後します。

※民間の保険に加入されている場合は、保険会社との契約条件に応じて還付などがある場合があります。

初診費用(術前検査費用)

費用:約5~10万円

心臓や肺の状態を含めた全身の状態を把握するために、術前検査を行います。

身体検査、血液検査、血液凝固検査、輸血のための検査、血圧測定、心電図検査、胸部と腹部のレントゲン検査、心臓と腹部のエコー検査を行います。その他状況に応じて尿検査や腎機能検査を追加します。

術前検査は、病気の進行の程度、併発症や手術のリスクなどを判断するために必要となります。

手術費用

費用:約143万円

僧帽弁閉鎖不全症の手術はチームで行う手術で、当センターでは通常6名体制で手術を行なっています。

その内訳は執刀医1名、助手1名、器具助手1名、麻酔医1名、体外循環担当1名、記録1名です。

手術中の微細な変化に気付き安全な手術を行うためには、どの担当もトレーニングが必要であり、経験を重ねたスタッフで手術を実施しております。

また、手術では心臓を止めて行うため、体外循環を行うための人工心肺装置や、体温を調整するため熱交換器を必要とします。

安全に麻酔をかけるための麻酔機や、心臓の動きを確認するための経食道エコー検査などさまざまな設備が必要となります。

入院費(術後管理)

費用:約40~45万円(1週間)

入院期間は通常1週間程度となります。手術後はまずICUに入室し、心電図、血圧、酸素飽和度、尿量などのモニタリングをします。

入院専門の獣医師が常駐し、スタッフ全員で連携しながら集中管理を行なっています。

モニタリングの様子や入院中の状態はネットワークを通じてスタッフがさまざまな場所から把握できるようなシステムになっております。

 

また、夜間につきましても獣医師が2名常駐し、入院中の動物たちに変わった様子が見られないかを常に確認しております。

入院中は毎朝必要に応じて血液検査を行い貧血などないかの様子を確認します。経過が安定していたら退院に向けての退院前検査を実施します。

このように、手術をした動物たちが無事にご自宅に戻れるように、24時間体制で見守っております。

 

術後には手術に伴う合併症※が起こる可能性があります。治療をせずに様子をみていく軽度のものから、治療が必要だったり、命に関わるような重度のものまで様々です。

追加の検査や治療が必要となった場合は、料金が発生することがあります。

※合併症について

  • 術後に起こる可能性がある病気を「合併症」と呼び、術前の状態を問わず発症する可能性があります。
  • 僧帽弁修復術を行った際には、血栓塞栓症、全身性炎症反応症候群(SIRS)や不整脈、血腫、出血、貧血や血小板減少症などに注意する必要があります。
  • 血液検査やレントゲン検査、エコー検診、点滴治療などの処置を行います。

退院後の定期検診

費用:24万円(1回6万円を4回)

退院後は、術後1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年に検診に来ていただいております。

退院後検診を行って術後の回復の様子を確認させていただくことで、散歩やシャンプーを再開するかの判断や、飲み薬の調整などを行なっております。

JASMINEどうぶつ総合医療センターの手術環境と実績

JASMINEどうぶつ総合医療センターの手術室は全面ガラス張りです。獣医師など手術見学の方向けに手術室の中をくまなく眺めることができるようになっています。

飼い主の方に対しては、我々はどんな設備を使って、何人の人間が動いているかを見ていただくことで安心して手術をお任せ頂けるのではないかと考えています。

※現在は新型コロナウイルス感染防止の観点から、飼い主さんの手術の見学はご遠慮いただいております。

愛犬の状態が表示されるモニターも多数用意しており、モニターで縫合の様子やバイタルの数字をその場で確認していただき、手術の推移を確認していただくことも可能です。

JASMINEどうぶつ総合医療センターでは「僧帽弁閉鎖不全症」の手術実績が1,000件以上あります。この手術を普及させるために、他の動物病院の獣医師の方、獣医大学の学生などの見学も積極的に受け入れています。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の手術成功率について

もし、手術終了直後の生存を「成功」と呼ぶのであれば、JASMINEどうぶつ総合医療センターでは99%です。

術後管理を経て退院までに約1週間を要しますが、ここまでの生存率でいうと92%となります。全体の5%が合併症によって亡くなり、あとの2%は持病との兼ね合いや体力の限界など様々な理由からです。

退院後については術後1か月間の過ごし方を誤らなければ、僧帽弁閉鎖不全症が原因で命を落とす危険はほぼありません。

もし手術をお考えの場合について

JASMINEどうぶつ総合医療センターは二次診療施設となり、かかりつけの先生からのご紹介が必要になります。

もし、かかりつけの先生から「手術は困難」「手術不要」と言われても、どうしても二次診療を受けたいという希望があれば、ぜひその本音をかかりつけの先生にお話ししてみてください。

飼い主様向けページはこちら

この記事の執筆者