【JASMINEミニセミナー】猫の乳腺腫瘍

 

今回はJASMINEミニセミナーのご紹介です。腫瘍科より「猫の乳腺腫瘍」についてお話ししております。

ここでは、動画の内容を概説いたします。

セミナーテーマ:猫の乳腺腫瘍〜10月はキャットリボン月間です〜

講師:JASMINEどうぶつ総合医療センター  腫瘍科  瀬戸口明日香先生

この動画は2020年10月20日に行ったミニセミナーの動画になります。

10月は猫のキャットリボン月間です。猫のキャットリボン運動は、猫の乳癌の早期発見・早期治療を普及させることで乳癌で苦しむ猫をゼロにすることが目的とされています。

概要

猫の乳腺腫瘍は、約80%が悪性の癌と考えられています(日本の調査)。

猫の乳癌の発生リスクが最も高まるのは10~12歳で、99%が雌で発生するとされています。

卵巣子宮摘出術の実施により、乳癌の発生率が低下します。

特に、1歳前に卵巣子宮摘出術を受けることを推奨しています。

猫の乳腺腫瘍を疑うとき

Step1: 入念な身体検査

猫の乳腺腫瘍のチェック方法として、自宅で飼い主が行うセルフチェック方法があります。

猫の乳腺をマッサージしながら触診する方法で、やり方の動画などもチェックできます。

どこに腫瘍があるか、腫瘍の大きさはどれくらいか、リンパ節をチェックします(リンパ節は獣医師がチェックします)。

Step2: ステージング

腫瘍の診断として以下のような検査を実施します。

  • ミニマムデータベースとして血液検査、血液化学検査、および尿検査を実施します。
  • 画像診断により、腫瘍の位置や大きさを確認します。
  • 細胞診により腫瘍か炎症かどうか、リンパ節にどのような細胞があるのかを調べます。

Step3: 治療

治療は、外科的切除、内科的治療、および放射線治療の3本柱になります。

一番大切なのは外科的切除で、片側切除が標準治療となっています。

場合によっては両側切除も検討します。リンパ節生検も必須となります。

内科治療は、術後補助化学療法として実施します。

対象となるのは、臨床ステージ、組織グレードが高い症例、脈管浸潤やリンパ節に転移が認められた症例が適応となります。

その他、手術を実施できない症例に対しても内科治療を実施する場合があります。

放射線治療は、乳腺腫瘤やリンパ節に緩和的に実施する治療法になります。

猫の乳腺腫瘍における予後因子

乳癌のステージは、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、また病理組織学的グレードで判断されます。

腫瘍のサイズが2cm以下で発見できるかどうかが、生存期間を左右します。

また、リンパ節転移の有無も生存期間に大きく関与します。

まとめ

国内の猫の乳腺腫瘍は約80%程度が悪性腫瘍となっています。

乳腺の外科的療法は、基本は片側切除で、部分切除及び領域切除は推奨できません。

最も大事なことは予防で、早期の卵巣子宮摘出によって乳腺腫瘍の発生リスクを下げることができます。

猫の乳腺腫瘍の予後は、腫瘍の大きさが2cm以下かどうか、リンパ節の転移があるかどうか、また組織学的グレードにより左右されます。

飼い主による日常のセルフチェックも有効になるでしょう。

セミナー動画URL

JASMINEミニセミナー|腫瘍科|猫の乳腺腫瘍〜10月はキャットリボン月間です〜|瀬戸口明日香先生

https://youtu.be/DxIi5lX4Iww

 

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