【JASMINEミニセミナー】マイクロバブル検査

 

今回はJASMINEミニセミナーのご紹介です。循環器科より「マイクロバブル検査」についてお話ししております。

ここでは、動画の内容を概説いたします。

セミナーテーマ:マイクロバブル検査

講師:JASMINEどうぶつ総合医療センター  循環器科  髙橋新音先⽣

この動画は2021年1月25日に行ったミニセミナーの動画になります。

マイクロバブル検査とは

循環血流にマイクロバブルによる高輝度コントラストを付与し、血液の流れを追随できるようにする検査のことです。

短絡性疾患の診断補助として利用されることがあります。

また、右左短絡へと病態が変化しているかどうかの確認することも可能です。 主たる適応疾患は、この3つが挙げられます。

  • 動脈管開存症 (PDA: patent ductus arteriosus)
  • 心房中隔欠損 (ASD: atrial septal defect)
  • 心室中隔欠損 (VSD: ventricular septal defect)

マイクロバブル検査を利用しない理由として、このような例があります。

  • カラードプラモードでは、フレームレート制限などにより心周期の適切なタイミングでの血流を拾えない場合があります
  • 特に小型犬では心拍数の問題で識別が困難になる可能性が高いです
  • ドプラモードでは、正確な画像の結像と血流との超音波ビームとの角度を保たなければいけないなど技術を要することがあります

必要な材料

マイクロバブル検査で必要となる材料は、留置針、プラグ(RPNプラグなど)、翼状針など、テープ類、 10mlロックシリンジ 2個、ロック三方活栓、生理食塩水となります。

そして、超音波診断装置となります。 実際のマイクロバブルの作り方を動画でご紹介しております。

動脈管開存症についてと実際の検査

動脈管開存症は先天性の心疾患です。

動脈管の存在により、大動脈に拍出された動脈血の一部が肺動脈へ流入します。

左右短絡(LR短絡)と右左短絡(RL短絡)があります。

動画では実際のエコー画像をお示ししています。

マイクロバブルの検査を実施した際に、 左右短絡(LR短絡)では、 前肢静脈から注入した場合、 前大静脈→右心房→右心室→肺へと流れ、その後のバブルはほとんどが肺でトラップされ、体循環へ達することはありません。

一方、右左短絡(RL短絡)では、 前肢静脈から注入した場合、 前大静脈→右心房→右心室→①一部肺へ、②一部大動脈へとながれ、 肺へ流れたバブルはほとんどが肺でトラップされるものの、大動脈へと流れたバブルは大動脈から腹部大動脈まで達します。

腹部大動脈に高輝度のマイクロバブルが通過しているエコー動画をご覧いただけます。

このように、マイクロバブル検査を実施することで、短絡の方向を鑑別することが可能となります。

鑑別は、動脈管結紮術などの手術を適応できるかを判断する上で非常に重要な情報です。

心房中隔欠損症についてと実際の検査

心房中隔欠損症は、主な分類として、

  1. 一次中隔欠損型(心内膜床欠損)
  2. 二次中隔欠損型(卵円孔開存)
  3. 静脈洞型

に分類されます。

心房中隔欠損症ではマイクロバブル検査を実施するとバブルを確認することができるため、心房中隔欠損の診断が難しい症例で除外をすることができます。

心室中隔欠損症についてと実際の検査

心室中隔欠損症は、Kirklinの分類により、

  • Ⅰ型:円錐部欠損、
  • Ⅱ型:膜性周囲部欠損、
  • Ⅲ型:流入部欠損、
  • Ⅳ型:筋性部欠損

に分類されます。

マイクロバブル検査によって、手術が適応かどうかなどの治療方針の決定に重要な判断をすることが可能です。

まとめ

このように、マイクロバブル検査は、特殊な医療資材必要なしに実施可能で、短絡の方向を明示することができる検査です。

注意する点としては、容量負荷については注意が必要であまり繰り返し実施できないことと、空気塞栓のリスクがあることは考慮する必要があります。

セミナー動画URL

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