心不全

心不全とは

心不全とは、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態を指します。心臓は無理して血液を送り出そうとしますが、この状態が続くと、心臓はやがて疲れて、バテてしまいます。

このように、心不全はひとつの病気ではなく、心臓のさまざまな病気により負担がかかった状態が最終的に至る症候群です。なお慢性的に心不全の状態が続くことを心不全といいます。

心不全は人間の中年期では死因第2位にのぼるほどで、犬においても命にかかわることの多い状態です。当センターでは心不全を引き起こす原因を各種検査にて突き止めたうえで、効果的な治療計画を立てています。

症状

初期症状は以下のように軽微なものが多く、飼い主さんも気づきにくいでしょう。
・散歩の途中で座り込む
・寝ている時間が長くなる

中度になると、このような症状が見られます。
・散歩に行きたがらない
・食欲が落ちる
・運動後や興奮すると咳をする

さらに進行して重度になると、
・ほとんど動こうとしない
・安静時にも咳が出る
・突然パタンと倒れる
・呼吸困難
などが起こります。

心不全は腎不全を引き起こす

心臓と腎臓は密接な関係をもっています。腎臓は血液中の老廃物を尿にかえる働きをしています。心不全を起こして血液の流れてくる量が減ると、腎臓は尿がつくれないため脳に危険信号を出します。すると「水分をたくさんとって血液をつくれ!」と、脳が命令を出すため、たくさん水を飲むようになります。

しかし水を飲んでも血液は心不全のために思うように流れません。そのまま腎臓で尿をつくれない状態が続くと、毒素がからだにたまり「急性腎不全」を起こして命を落とすことがあります。(腎不全とは、腎臓が血液をろ過して老廃物を十分に除去することができなくなった状態を指します)

適切な治療を受ければ、腎不全は回避することができます。