中医学科
中医学科の概要特色
中医学とは数千年以上の歴史を持つ中国伝統医学です。古代中国人は、人間も宇宙の一部、そして人間の体の中にも宇宙があると考えました。宇宙には、陰と陽の対極になるものが存在し、心身の陰と陽の調和がとれていれば健康状態が良く、そして、体の中で陰陽のバランスが崩れると病気になると考えていました。
自然界は、熱、液体、植物、鉱物、土壌からなり、これらはそれぞれ「火、水、木、金、土」の「五行」で表現され、地球上に存在するすべてのものはこの5つの要素のどれかに分類されます。この五行説は中医学の最も重要な基礎理論です。
中医学では、体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で構成されていると考えられています。「気」は目には見えない生命活動を支えるエネルギー、「血」は全身の組織や器官に栄養を与えるもの、「水」は水分代謝や体をうるおすもののことです。健康な状態とは、この3つがお互いに影響し合い、バランスよく循環している状態です。どれかが過剰だったり、不足したりすると、不調や病気の原因になってしまいます。
西洋医学では、患者さんの症状と病気に対する治療を主に行います。科学的な診断法、たとえば血液検査、レントゲン、超音波、内視鏡、病理検査などに優れています。それに対し、中医学は性格、年齢、活動性、生活環境などを含め、全ての状態を診て、全身の不調和を整える為の治療を行います。中医学治療は個々の自然治癒力を引き出してくれます。一方で、疾患・症状によっては西洋医学の方が優れているものもあります。そこで当センターでは、「中医学」と、「西洋医学」の最先端を取り、これらを組み合わせて更に QOL(Quality of Life:生活の質)の向上できる医療をご提供したいと思っています。
主な検査方法
診察方法は「四診(ししん)」という、「望診(見る、舌診)」、「聞診(呼吸の音を聞く、体臭を嗅ぐ)」、「問診(既往歴・生活環境・食生活を聞く)」、「切診(脈を診る)」の4つからなります。四診からの情報を基準に中医学における診断名である「証」が決定します。