中医学科の主な治療
鍼灸
鍼灸治療では、ツボを刺激します。ツボは正式には経穴と呼ばれます。経絡を流れる気血の巡りが滞ると、その経絡につながっている内臓などに影響が及び、不調をもたらします。問題がある患部やツボに鍼やお灸で刺激を与えて気を調節し、患者さんが本来持つ自然治癒力や免疫力を高めるのが鍼灸による治療です。鍼灸がヘルニアや足腰の痛みなどに効果があるのは良く知られていますが、そのような病気だけでなく内科疾患にも効果があります。 ただし、ワンちゃんや猫ちゃんが怖がり、触られるのを嫌がる場合などは、鍼灸治療ができないことがあります。その場合は無理に鍼治療はせず、飼い主さんにお家でマッサージをしていただいたり、漢方治療、薬膳などをご提案させていただく場合があります。
漢方
個々の患者さんに最も適したオーダーメイドの漢方薬による治療を行っております。漢方の治療原則は、“熱ければ冷まし、冷たければ温める。足りないものは補い、多過ぎるものは取り除く” です。個々の中医診断に応じた漢方薬により体が本来もつバランスを整えていきます。
漢方薬による癌治療
現代の獣医腫瘍学は目覚ましい進歩を遂げています。しかし、治療による副作用や、高齢・衰弱の為、負担が多すぎて治療に向いてない患者さんも中にはいると思います。西洋医学による癌治療は一般的に抗癌剤、外科、放射線治療により癌細胞にアプローチします。時には、癌細胞のみならず正常な細胞にもダメージを与えてしまいます。そのため副作用として悪心・食欲不振、倦怠感などが生じる場合があります。中医学では患者さんの本来の自然治癒力の向上を促し、病気と戦う体力や気力を高め、また副作用の緩和を目指します。
薬膳
中医学の考え方をもとに患者さんの体質に合わせて食材や生薬を組み合わせた健康料理、それが薬膳です。鍼灸や漢方薬と共にお食事で体のバランスを整えたり、病気を予防したり、健やかな体づくりが期待できます。