腫瘍科の主な治療
外科療法
腫瘤を直接摘出する方法です。周囲組織(血管や神経、周囲の臓器)を巻き込んでいないかなど、画像検査で確認することが治療計画のうえで必須となります。初回治療で可能な限り腫瘍を取り切ることを目的としますので、できるだけ腫瘍から離れた位置で余裕を持って切除することが望ましいとされています。
切除したルートに腫瘍細胞を播種させない、あるいは腫瘍組織が正常組織に包まれた状態で切除することが望ましいため、腫瘍そのものよりも大きな切除創になります。
外科療法は最も根治に近づき得る治療法ですが、局所療法であるため、全身に広がった腫瘍に対しては適応となりません。また、切除のために体の機能が損なわれ、日常生活に支障をきたす場合にも適応となりません(このような場合は放射線療法となります)。
化学療法(抗がん剤治療)
リンパ腫や白血病など血液・リンパ系の腫瘍、全身に広がった腫瘍の治療に使用します。外科療法と比較して全身療法であるため、効果も副作用も全身で認められます。副作用としては、嘔吐、下痢、食欲不振、発熱、元気低下、脱毛などがあります。このような副作用は生活の質(Quality of life;QOL)を極端に低下させない程度にとどめるように治療を進めていきますのでご安心ください。
抗がん剤治療には、注射薬と内服薬が用いられます。腫瘍の種類や状態によりどの薬剤が適しているのか、ご家庭の事情によりどのような薬剤が使用可能かなど、総合的に判断して治療計画を立てていきます。治療期間中はご家庭での様子の観察が大変重要となり、異常が認められた場合は、すぐに担当医にご連絡いただき対処をご相談ください。
腫瘍の治療は、ご家族とメディカルスタッフが一体となって治療に向き合うことが大切だと考えております。不安な点についてはいつでもご相談ください。
なお、放射線療法は、当院で実施することができませんので、専門医をご紹介させていただきます。その他(免疫療法、遺伝子治療、代替療法など)の治療法もありますが、当院で実施できないものもありますので、適宜ご相談をさせていただきます。