フィラリア症
フィラリア症とは
蚊の媒介によって、寄生虫の一種「犬糸状虫」が犬に寄生し、右心房と肺動脈に住み着くことで起こる症状をいいます。住み着いたフィラリアが幼虫を産み、その幼虫が血管に移動します。その血管を別の蚊やブヨが刺し血液を吸い取った時に、フィラリアの幼虫は蚊やブヨの体内に吸い取られます。そして蚊やブヨの体内で脱皮を繰り返し成長します。蚊やブヨが次の動物を刺した時に、またフィラリアが動物の血管に入り込む、という方法で感染が広がっていきます。現在、日本での感染は少なくなっていますが、人にも感染するので予防をすることが大切です。
フィラリア症の症状
血液の循環が妨げられるため、さまざまな症状が起こります。「咳」「運動をしなくなる」「血を吐く」などのわかりやすい症状以外にも「むくみ」「腹水」「肝臓肥大」など、ご家族が見落としがちな症状もみられます。寄生数が多い場合は寄生虫が血管を塞いでしまい、急激に症状が悪化することもあるので注意が必要です。
フィラリア症の治療方法
成虫の駆除はかつてヒ素剤などの投与で行っていましたが、現在では予防薬の長期連続投与で行います。ただし、多数の犬糸状虫が寄生している場合は手術で成虫を取り除くこともあります。もっとも大切なことは予防です。フィラリアに寄生されないよう予防することは、犬や猫を飼う方の義務だといっても過言ではありません。蚊が活動を始める時期から、蚊が周囲からいなくなって1カ月後まで、予防薬を飲むことが一般的な予防法です。寄生虫を防ぐ首輪や皮膚にたらす滴下薬もあります。獣医師とよく相談して確実に予防するようにしましょう。